部材復元力特性計算条件

メインメニュー「計算条件」→「部材復元力特性計算条件」を選択します。ここでは、部材復元力特性の計算条件を設定します。

終局耐力条件1

柱のモデル化

柱の曲げ・軸相関計算モデルを設定します。現状、ファイバーモデルのみ選択可能です。

  • M-θモデル(軸力固定) 未対応
  • M-Nモデル 未対応
  • M-M-Nモデル 未対応
  • ファイバーモデル

梁のモデル化

梁の曲げ・軸相関計算モデルを設定します。 ファイバーモデルはS造のみの対応となっております。

  • M-θモデル
  • ファイバーモデル(S大梁のみ対応)

耐震壁のモデル化

耐震壁の曲げ・軸相関計算モデルを設定します。現状、ファイバーモデルのみ選択可能です。

  • M-θモデル(軸力固定) 未対応
  • M-Nモデル 未対応
  • ファイバーモデル

壁の応力評価位置は以下から指定できます。

  • 節点位置
  • フェイス位置

また、壁頭を弾性とし、壁脚のみ弾塑性とする指定もあります。

ファイバーモデルの解析設定

ヒンジ領域長さの設定

ファイバーモデルによる剛性低下を生じさせる柱頭、柱脚部の長さを柱せいDに対する比率で指定します。 残りの中央部は弾性となります。 この時の柱せいDは、断面のX方向のせい $D_X$とY方向のせい $D_Y$としたときに次のように評価します。

$$D = \sqrt{D_X^2+D_Y^2}$$

コンクリート材料引張耐力の設定

柱の引張コンクリート、耐震壁の引張コンクリートの引張耐力のFcに対する比率を設定します。

コンクリート材料非線形の設定

コンクリートの履歴則を設定します。現状、NewRCモデルのみ選択可能です。

鉄筋の設定

鉄筋をトリリニアにする指定ができます。
実験的機能です。
菅野式による降伏時剛性低下率αyに近づく傾向の設定となります。

ファイバーモデルの塑性率計算方法

ファイバーモデルの塑性率計算方法を設定します。ファイバーモデルの塑性率の計算方法については確立された手法がなく、その都度適切に判断する必要があります。RESP-Dでは4つの計算方法を用意しています。

  • 塑性率基点歪みを設定
  • 重み付平均塑性率(曲率)
  • 重み付平均塑性率(たわみ角)
  • 降伏発生時を基点にする

塑性率基点歪みを設定

塑性率計算のための基点を設定します。上記「ファイバーモデルの塑性率計算方法」で「塑性率基点歪みを設定」とした場合に設定できます。
分割断面の歪みが基点歪みに達した時点の歪み、曲率をそれぞれ軸力、モーメントの塑性率基点とします。

断面内の歪みにより塑性率の基点を設定します。例えばRCの終局曲げ耐力を計算する際には縁圧縮歪み0.3%で決められることが多いため、RCにおいて終局耐力を超えているか否かの判定には適します。しかしながら、塑性率の基点となる降伏耐力時の縁歪みは軸力により異なってくるため、適切な塑性率を算出することは難しいケースが多いです。また、この計算方法の場合、X/Y方向曲げヒンジと軸降伏は必ず同時に発生します。

重み付平均塑性率

ファイバー断面における各分割断面の塑性率に対し、モーメントに対する寄与率によって重み付した値を用いて塑性率基点を設定します。縁歪みによる決定方法と下記の点で異なる傾向を示します。

  • 特に歪み等の指定をすることなく、実際の骨格曲線において剛性低下が大きくなる時点を塑性率基点に設定できます。
  • X/Y方向曲げヒンジ、軸降伏はそれぞれ別のタイミングで生じます。
  • 塑性率については、曲率で算出する方法とたわみ角で算出する方法から選択できます。曲率の場合、塑性化領域において局所的に大きな曲率が発生することがあり、塑性率は大きくなりやすい傾向にあります。一方、たわみ角の場合は建物の層間変形角と概ね比例関係になり、塑性率は曲率に比べて安定します。

計算方法の詳細は、下記参考文献をご参照ください。

ファイバー要素断面の塑性率算定に関する考察 : その1 曲げ・軸塑性率の評価方法(2012年度大会(東海)学術講演会)
ファイバー要素断面の塑性率算定に関する考察 : その2 鉄骨造建物の荷重増分解析による検証(2012年度大会(東海)学術講演会)
ファイバー要素断面の塑性率算定に関する考察 : その3 RC部材への適用検討(2013年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会)
ファイバー要素断面の塑性率算定に関する考察 : その4 RC造建物の荷重増分解析による検証(2013年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会)

降伏発生時を基点にする

塑性率の基点を降伏発生時の歪みで規定します。
弾性限をクライテリアとする場合に、塑性率が1.0を超えたかどうかで判断できるため有用です。

終局耐力条件2

RC造梁の曲げ耐力計算方法

「略算式」とした場合、スラブ筋はスラブ厚の中央に存在するものとして計算されます。
「平面保持」とした場合、上端筋、下端筋それぞれについて、鉄筋断面積とスラブ面からの距離を指定することが可能です。

  • 略算式
  • 平面保持

RC造梁ひび割れ計算時のスラブ考慮

ひび割れモーメントの計算時にスラブを考慮するかどうかを設定します。

  • 考慮する
  • 考慮しない 未対応

剛性低下率αy の計算

断面二次モーメント比によるαyの補正

  • 補正する
  • 補正しない

下端引張時の引張鉄筋比ptの計算方法

  • pt = Σ at / b・D
  • pt = Σ at / B・D

b: 協力幅を含む梁幅 B: 梁幅

直接入力剛性倍率によるαyの補正

配置された大梁毎に剛性倍率を直接入力している場合に、αyの計算にも入力した倍率を考慮するかを設定します。「考慮する」とした場合、計算されたαyを直接入力した剛性倍率で除したαyを採用します。

  • 補正する
  • 補正しない

断面二次モーメント比によるαyの補正

「補正する」とした場合、計算されたαyに下記の比率を乗じた値をαyとして採用します。

  • 上端引張の場合
    • ※腰垂壁が存在しない場合、αy’=αy(Ie0/Ie)と等価
  • 下端引張の場合
    • ※腰垂壁が存在しない場合、αy’=αyと等価

下端引張時の引張鉄筋比ptの計算方法

  • pt=Σat/(b・D)
  • pt=Σat/(B・D)

b:協力幅を含む梁幅
B:矩形断面の梁幅

S造梁曲げ耐力算定時の横座屈考慮

S造梁の曲げ耐力算定時の横座屈を考慮するかどうかを設定します。

  • 横座屈を考慮する
  • 横座屈を考慮しない

S造梁曲げ耐力算定時のウェブ考慮

S造梁の曲げ耐力算定時のウェブを考慮するかどうかを設定します。

  • ウェブを考慮する
  • ウェブを考慮しない

剛床に含まれない梁のモデル化

剛床に含まれない梁のモデル化方法を設定します。

  • 軸力は考慮しない
  • M-θモデル(軸力固定) 未対応
  • M-Nモデル 未対応

袖壁の耐力考慮

袖壁を曲げ耐力及びせん断耐力に考慮するかどうかを設定します。

  • 考慮する
  • 考慮しない 未対応

腰壁・垂壁の耐力考慮

腰壁・垂れ壁を曲げ耐力及びせん断耐力に考慮するかどうかを設定します。

  • 考慮する
  • 考慮しない 未対応

終局耐力条件3

RC造柱のせん断耐力式

RC造柱のせん断耐力式を設定します。
せん断非線形の指定を行った場合でも、終局強度型設計指針もしくは靱性保証型設計指針とした場合には、せん断非線形は考慮されません。

  • 終局強度型設計指針
  • 靭性保証型設計指針
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.053式
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.068式

RC造梁のせん断耐力式

RC造梁のせん断耐力式を設定します。
せん断非線形の指定を行った場合でも、終局強度型設計指針もしくは靱性保証型設計指針とした場合には、せん断非線形は考慮されません。

  • 終局強度型設計指針
  • 靭性保証型設計指針
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.053式
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.068式

RC造耐震壁のせん断耐力式

RC造耐震壁のせん断耐力式を設定します。

  • 靭性保証型設計指針
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.053式
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.068式

RC造梁のせん断耐力算定時(荒川式)のスラブ有効幅

RC造の荒川式によるせん断耐力算定時に考慮する片側スラブの協力幅を設定します。

高強度せん断補強筋のQu算定式

高強度せん断補強筋のQu算定式を設定します。

  • 異形鉄筋と同じ
  • 終局強度型設計指針
  • 靭性保証型設計指針
  • 構造技術基準解説書 荒川式 0.068式

SRC造柱のせん断耐力式

SRC造柱のせん断耐力式を設定します。

  • SRC規準
  • SRC診断式
  • 構造関係技術基準解説書

SRC造梁のせん断耐力式

SRC造梁のせん断耐力式を設定します。

  • SRC規準
  • SRC診断式
  • 構造関係技術基準解説書

SRC造壁のせん断耐力式

SRC造耐震壁のせん断耐力式を設定します。

  • SRC規準
  • SRC診断式
  • 構造関係技術基準解説書
  • RC造耐震壁として計算する

部材非線形条件1

立体振動解析時の部材復元力特性の設定 未対応

部材の復元力特性を設定します。

繰り返し曲げせん断による座屈崩壊形式の判定

座屈を考慮した履歴を適用する

チェックを入れると大梁の非線形特性に座屈を考慮したモデルを採用します。 選定されるモデルはこちらに記載の3種類で自動判定となります。

鉛プラグ挿入型積層ゴム支承の履歴則

鉛プラグ挿入型積層ゴム支承材の履歴側を設定します。 オイレス工業製品については、以下から選択できます。

  • LRB統一型
  • 歪依存 Tri-Linear
  • 修正H-D

ここで設定がないメーカーについては、LRB統一型バイリニアとしてモデル化されます。

錫プラグ挿入型積層ゴム支承の履歴則

錫プラグ挿入型積層ゴム支承材の履歴側を設定します。

  • 歪依存 Bi-Linear
  • 歪依存 Tri-Linear

ダンパー計算モデル

iRDT計算方法

iRDTダンパーの計算モデルを設定します。

  • 初期版
  • 2020年版

部材非線形条件2

せん断非線形

各部材のせん断非線形の考慮を設定します。 RC,S・SRC部材で耐力劣化させるかどうかを指定することもできます。

項目説明
考慮しない部材のせん断力がせん断耐力に達した場合に剛性低下させません。終局検定によるせん断検定は行います。
降伏後耐力一定として考慮する部材のせん断力がせん断耐力に達した場合に剛性低下させます。耐力低下は考慮しません。
降伏後耐力低下するものとして考慮する部材のせん断力がせん断耐力に達した場合に剛性低下させます。劣化開始歪みに達した時点から、耐力喪失歪みに達するまでは直線的に耐力低下を考慮します。

ひび割れによる剛性低下の考慮

柱・梁・耐震壁のひび割れによる剛性低下の考慮可否を設定します。
「考慮する」とした場合はトリリニアとして、「考慮しない」とした場合はバイリニアとしてモデル化します。

項目説明
考慮するトリリニアとしてモデル化します。
考慮しないバイリニアとしてモデル化します。

部材非線形条件3

部材の非線形の考慮

各部材の非線形の考慮(弾性/弾塑性)を設定します。

階の種別による非線形の考慮 未対応

階の種別による非線形の考慮を設定します。本指定は部材ごとの指定に優先されます。