終局検定計算条件
部材の終局検定計算条件の設定を行います。
終局検定条件1
塑性ヒンジ判定のための応力割増率 (単位:無次元)
応力に対して指定した係数を乗じた値が部材の終局強度を上回った場合に降伏と判定します。
$M_u$(終局強度判定用曲げモーメント)
$ = \alpha \cdot M$(存在モーメント)
$Q_u$(終局強度判定用せん断力)
$ = \beta \cdot Q$(存在せん断力)
割増率
$\alpha$、
$\beta$をより大きくにすると、終局耐力未満の応力でもヒンジの判定がされます。
部材復元力特性計算条件で「せん断破壊の考慮をしない」とした場合でもせん断耐力の余裕度からせん断ヒンジの判定を行います。
(デフォルト値:1.0)
柱梁耐力比の判定基準
(RC造デフォルト値:1.5)
(S造デフォルト値:1.5)
除外する柱梁符号
必要保有水平耐力Qunの計算
階ごとのDSとFesを表形式で直接入力します。 ※現状は「グラフ出力」のQ-R図、Ci-R図のプロットで使用します。この入力で計算されるQunで終局検定としての判定はしてはおりません。
終局検定条件2
RC大梁の終局せん断応力(αの単位:無次元)
下記から選択します。
・両端ヒンジ時の応力(デフォルト)
・存在応力
「存在応力」を選択した場合は下記のように計算されます。
$Q_D=Q_L+\alpha \cdot Q_m$
$Q_D$ : 終局せん断応力
$Q_L$ : 長期せん断応力
$\alpha$ : 割増係数(デフォルト:1.2)
$Q_m$ : 存在応力
鉄筋にMK785を用いた場合、上記指定によらず下式による計算結果が終局せん断応力として使用されます。
$Q_D=Q_0+1.2/1.1\cdot Q_m$
$Q_0$: 単純梁の長期せん断力
RC柱の終局せん断応力(αの単位:無次元)
RC柱の終局せん断応力
$Q_D$における
$\alpha$を入力します。
$Q_D$(終局せん断応力)
$=Q_L$(長期せん断応力)
$+\alpha \cdot Q_{mu}$(存在応力)
鉄筋にMK785を用いた場合、上記指定によらず
$\alpha= 1.25 / 1.1$として計算します。
(デフォルト値:1)
柱梁接合部せん断終局強度検定
ト形接合部の柱せい低減係数 $D_j$(単位:無次元)
ト形接合部の有効せいの低減係数を直接入力します。柱梁接合部せん断終局強度の計算に使用されます。
(デフォルト値:0.75)
柱せん断力
柱梁接合部せん断終局強度の計算に使用する柱せん断力の計算方法を選択します。
・大梁両端ヒンジ時の応力
・存在応力(デフォルト)
大梁モーメント
柱梁接合部せん断終局強度の計算に使用する大梁モーメントの計算方法を選択します。
・大梁両端ヒンジ時の応力(デフォルト)
・存在応力
柱軸力比検討用軸力
採用軸力
柱軸力比検討用軸力は下式より計算されます。
$N_D=(1+\alpha)\cdot N_L\pm\beta \cdot N_U$
$\alpha,\beta$ :割り増し係数
$N_L$:長期軸力
$N_U$:水平荷重載荷時の終局時柱軸力
「柱終局曲げ耐力算出にもこの軸力を採用する」を選択するにチェックを入れた場合、柱終局曲げ耐力算出式内の軸力の値に、上式で計算した値が用いられます。
圧縮側の柱について、本式の意味をMN相関図上で示したものが下図になります。
上下動による係数 $\alpha$(単位:無次元)
採用軸力算出式に用いる
$\alpha$を考慮するか指定します。
考慮しない場合
$\alpha=0$ として計算されます。
考慮する場合、「柱軸力比検討用軸力の増減係数」にて「上下動による係数」を階ごとに設定します。
(デフォルト値:考慮する)
転倒モーメント比による係数 $\beta$(単位:無次元)
採用軸力算出式に用いるβを考慮するか指定します。
考慮しない場合
$\beta=1.0$ として計算されます。
考慮する場合、「柱軸力比検討用軸力の増減係数」にて「転倒モーメント比による係数」を階ごとに設定します。
(デフォルト値:考慮する)
柱軸力比検討用軸力の増減係数
上下動による係数
「柱軸力比検討用軸力」の「上下動による係数
$\alpha$」にて「考慮する」を選択した場合、
本表にて階ごとに係数の設定を行います。
(デフォルト値:0)
転倒モーメント比による係数
「柱軸力比検討用軸力」の「転倒モーメント比による係数
$\beta$」にて「考慮する」を選択した場合、本表にて階ごとに係数の設定を行います。
(デフォルト値:1)
柱・大梁・各階係数個別指定
「上下動係数」を個別の柱、梁毎に設定する場合に入力します。
柱に入力がある場合は上下動による係数で階ごとに設定した値を上書きします。
大梁の場合は終局検定には使用せず、鉄骨ロングスパン大梁の検討で使用されます。
終局検定条件3
終局検定用の材料強度の定義
・標準信頼強度倍率 標準上限強度倍率
終局強度型設計指針、靱性保証型設計指針における信頼強度倍率および上限強度倍率を設定します。
デフォルトでは設定されていませんので、右クリックにて新規行を追加してください。
ここで設定される強度倍率は材料強度倍率に対してさらに乗じられます。
信頼強度は設計用付着応力度の算定に用いられます。
上限強度は「大梁せん断余裕度検定応力」を「両端ヒンジ」とした場合の両端曲げ耐力計算や接合部設計用応力に用いられます。
(標準信頼強度倍率 デフォルト値:1.0)
(標準上限強度倍率 デフォルト値:1.3)
・材料ごとの強度倍率
本表にて鉄筋材料ごとに信頼強度倍率、上限強度倍率の設定をします。
Fc60を超えるコンクリート有効圧縮強度計算式
Fc60を超えるコンクリートを使用している場合、有効圧縮強度計算式を選択します。
・靭性保証設計指針式(デフォルト)
・CEB式
RC大梁の付着検討方法
・RC規準2018式(安全性確保)
・靭性保証型設計指針式
・検討しない(デフォルト)
靭性保証型設計指針におけるΔσの計算
靭性保証型設計指針で $\delta \sigma$(部材両端部の主筋の応力度の差)を計算する時の係数を設定できます。
終局強度型・靭性保証設計指針による計算の設定
・終局限界状態でのヒンジ領域回転角Rp(rad)
靱性保証型設計指針によるRpの値を入力します。単位はラジアンです。鉄筋にMK785を使用した場合は、上記指定を無視し常にRp=1/50として計算します。
(デフォルト値:0.02)
・せん断検討方法
・
$V_{su}$で検討
・
$min(V_{su}, V_{bu})$で検討
$V_{su}$:せん断信頼強度
$V_{bu}$:付着破壊の影響を考慮したせん断信頼強度
2段目主筋に対する付着信頼強度低減係数
・靭性保証型設計指針式(デフォルト値:0.6)
・ネツレンカットオフ工法(0.85)
RC柱の2軸に関するべき乗係数
終局検定の採用応力に影響します
・2軸せん断を考慮するか
2軸せん断を考慮して検討するかどうか指定できます。
終局検定条件4
鉄骨柱、CFT柱パネルゾーンの終局せん断耐力検討
・検討する
・検討しない(デフォルト)
「検討する」を選択すると、解析結果フォルダの「終局検定」内に以下の2つのファイルが出力されます.
- S造パネルの検定結果(_SteelPanelUltimateResult.csvファイル)
- CFT造パネルの検定結果(_CFTPanelUltimateResult.csvファイル)
鉄骨柱パネルゾーンの検定
S造パネルの検定結果(_SteelPanelUltimateResult.csvファイル)で検討に使う指針を選択します。
・鋼構造接合部設計指針(デフォルト)
・限界状態設計指針
CFT柱パネルゾーンの検定
CFT造パネルの検定結果(_CFTPanelUltimateResult.csvファイル)で検討に使う指針を選択します。
・CFT指針(デフォルト)
・SRC規準
CFT柱ダイヤフラム最大強さの検討
・検討する
・検討しない(デフォルト)
「検討する」を選択すると、解析結果フォルダの「終局検定」内に以下のファイルが出力されます.
- CFTダイアフラム検定結果(_CFTDiaghragmUltimateResult.csvファイル)
CFTダイヤフラム形状
・内ダイヤフラム(デフォルト)
・通しダイヤフラム
ダイヤフラムの出寸法
梁端曲げ耐力にZpfを用いて検討する
CFT柱ダイヤフラムの検定
CFTダイアフラム検定結果(_CFTDiaghragmUltimateResult.csvファイル)で検討に使う指針を選択します。
・CFT指針(デフォルト)
・鋼管構造設計施工指針