杭応答変位法オプション
起動について
通常のRESP-Dとは別に杭応答変位オプションのライセンスコードが必要となります。応力解析まで実行し、ツール>外部ツール>杭応答変位オプションをクリックします。表示された画面においてライセンスコード及び利用者コードを入力してください。
通常のRESP-Dとは別に杭応答変位オプションのライセンスコードが必要となります。応力解析まで実行し、ツール>外部ツール>杭応答変位オプションをクリックします。表示された画面においてライセンスコード及び利用者コードを入力してください。
RESP-D 杭応答変位法オプションでは、杭の応答変位法の検討が行えます。 上部構造の設計をRESP-Dで行っている場合には、上部構造のモデル入力や上部構造からの反力をスムーズに受け渡しできます。 上部構造の設計を別プログラムで行っている場合には、下部構造モデルの入力および下部構造設計用外力や軸力を直接入力すれば、杭応答変位法のみの検討で利用することも可能です。
| 項目 | RESP-Dで上部構造設計 | 別プログラムで上部構造設計 |
|---|---|---|
| 杭断面入力 | 要 | 要 |
| 地層特性入力 | 要 | 要 |
| 使用材料入力 | 要 | 要 |
| 杭・地盤配置入力 | 要 | 要 |
| 杭軸力直接入力 | 任意 | 要 |
| 慣性力・地下震度直接入力 | 任意 | 要 |
場所打ち杭をメニューから選択し、入力します。 杭断面は現在のところ、RC杭、鋼管巻きRC杭、SRC杭(芯鉄骨)が選択できます。
最後の断面の区間長は入力できませんが、全長からほかの断面の区間長を差し引いた残りの長さになります。 拡底部は傾斜を考慮しない断面となります。
2段筋がある場合、配筋詳細で入力できます。
dtは主筋の芯位置までの距離を入力してください。
性能直接入力を行えば、断面性能を直接指定する事ができます。
性能直接入力は、空欄で省略した場合は自動計算値が参照されます。
既製杭をメニューから選択し、入力します。 現在のところ、三谷セキサンの杭のみ対応しています。
※部材耐力の自動計算については弾塑性設定をご確認ください。
部材リストのタブに設定がございます。
ここでは、自動計算ではなく、杭(応答変位オプション)のタブにて杭の骨格曲線を直接入力することができます。
設計レベル:許容時/終局時から選択してください。
方向:慣性力及び地盤変位の加力方向を選択してください。
断面位置番号:杭の部材リストで定義した各杭を数字に置き換えて入力してください。
例えばP1のA断面であれば1、B断面であれば2と入力してください。
$M_{cr}$:第一折れ点(ひび割れ)の曲げモーメント
$\phi_{cr}$:第一折れ点(ひび割れ)の曲率
$M_y$:第二折れ点(降伏)の曲げモーメント
$\phi_{y}$:第二折れ点(降伏)の曲率
$M_u$:第三折れ点(破壊)の曲げモーメント
$\phi_{u}$:第三折れ点(破壊)の曲率
$a_u$:第三折れ点より後の初期剛性に対する剛性低下率 ※テトラリニアでモデル化する場合に設定します。
使用材料は、荷重・材料 -> 使用材料 -> その他 から入力できます。 コンクリートFcは、杭断面リストから符号ごとに個別指定することもできます。
鉄筋の径 - 強度関係を上部構造と杭で変えなくてはいけない場合には注意が必要です。 RESP-Dでは鉄筋材料を径ごとに指定できます。上部構造と下部構造で、同じ径の鉄筋を異なる強度で用いる場合には、たとえば上部構造用のD38に対し、下部構造用にPD38 のような径を定義して、その材料を杭用の材料とし杭断面に用いる設定が必要になります。 鉄筋径による材料指定の詳細についてはこちらをご参照ください。
水平地盤特性を設定します。
画面左上のNo.1と記載されたタブを右クリックするとボーリングデータの追加・削除・番号の変更を行うことができます。
杭の部材プロパティにてどのボーリングデータを適用させるかを選択することができます。

設計GLから地表面の距離は杭頭位置の指定と関連し、以下のように解釈されます。
地下水位は地表面からの距離で指定します。
杭計算条件で地下水位を考慮するにチェックを入れた場合入力が有効となります。
解析モデル上分割された地層において地下水位が存在する地層以下の地層の単位体積重量に対して地下水位の影響を考慮して上載圧を計算します。
群杭係数
杭配置を行います。 配置は伏図画面上からの入力と、表形式のダイアログからの入力が行えます。
杭位置ごとに以下が個別指定できます。
また、伏図上でプロパティウィンドウからパラメータを設定することも可能です。
各解析ケースごとに軸力を設定できます。
左上の「解析結果の読み込み」ボタンから解析結果を読み込むことも可能です。
実際に杭に考慮される軸力は、ここでの設定値に対して基礎重量を加算した軸力を採用します。
各ケースごとに杭頭付加モーメントを設定できます。 設定した付加モーメントは、杭頭に作用させます。
左上の「解析結果の読み込み」ボタンから解析結果を読み込むことも可能です。以下の数値を読み込みます。
応答変位法を行う場合は地盤変位を設定します。
地盤変位はレベル1,レベル2でそれぞれ設定できます。
地表面からの深度を入力してください。
計算条件を設定します。
地盤ばね特性の入力方法
応答変位Opでは「地盤特性で入力する」のみに対応しています。
採用軸力
・解析結果軸力を採用
上部構造モデルの解析結果で得られた杭軸力を参照します。
・直接入力値を採用
杭軸力の設定にて入力された値を参照します。
OTM低減係数を考慮することができます。
杭・地盤の非線形性
杭体・地盤ばねの線形・非線形の切り変えを行うことができます。
杭のコンクリート強度
・掘削時に水もしくは泥水を使用する
チェックを入れない場合、告示 平13国交告第1113号 第8 一号 (1)が採用されます。
チェックを入れた場合(2)が採用されます。
・終局時1.0×Fcとする
チェックを入れると、杭としての低減をかけずに終局強度(曲げ・せん断ともに)を計算します。

建物最下層の地下震度
RESPにおける基礎重量に対して入力値が乗じられて基礎部の慣性力となります。
直接入力しない場合は地震荷重の最下層のkが用いられます。
杭解析用モデルの選択
・単杭モデル
・群杭フレームモデル
基礎梁剛性を考慮する場合、基礎梁が剛性を持つBeam要素として群杭フレームモデルがモデル化されます。
基礎梁剛性を考慮しない場合、基礎梁をモデル化せず、すべての杭頭が同一変位となるように評価されます。
基礎のねじれを考慮する場合、加力直交方向に対する基礎の変形を許容します。
杭体非線形モデル化方法
・M-φモデル
・Fiberモデル
地盤ばねのモデル化方法
・慣性力(同時加力)
基礎指針もしくはFrancisのばねより選択します。
・応答変位
基礎指針もしくはFrancisのばねより選択します。
応力の重ね合わせ
同時加力・単純和・SRSSより選択します。
杭頭の条件
杭解析用モデルの選択にて、単杭モデルまたは群杭フレームモデル(基礎梁をモデル化しない)を選択した場合に選択可能です。
群杭フレームモデル(基礎梁をモデル化する)を選択した場合は選択不可となり、杭頭と基礎梁は剛接されます。
・杭頭回転自由
・杭頭回転固定
・つなぎ梁による拘束
つなぎ梁による拘束は、魚骨モデルの考え方(梁の中央位置を反曲点とみなすと、ピン支持にすると概ね等価になる)で簡易的に基礎梁の影響を考慮する方法です。
杭先端の条件
ピンもしくは水平ローラーから選択することができます。
上部構造モデル(地下階含む)の最下階層せん断力の直接入力
チェックを入れた場合、上部構造モデル(地下階含む)の最下階層せん断力に直接入力値が採用されます。
基礎重量の直接入力
チェックを入れた場合、基礎重量に直接入力値が採用されます。
基礎慣性力の計算時には、ここでの基礎重量に杭配置テーブルで入力した位置ごとの基礎追加重量の総和が加算され評価されます。
地下水位
地下水位を考慮した場合、地盤ばね耐力計算時の上載圧計算時の地盤の単位体積重量を浮力を考慮して計算します。
設計水位の設定は水平地盤特性の設定で行います。
上部構造モデルの杭頭軸力を、下部構造モデルでどのように考慮するか
・内力として検定時のみに用いる:
軸力を外力としては与えず、M-N相関図上の応力プロットとして指定した軸力が採用されます。
・外力として増分する:
Fiberモデルを選択した場合のみ選択することができます。
直接入力した杭軸力を採用する場合、最終ステップで指定した軸力となるように、導入軸力を時々刻々と線形増分します。
解析結果軸力を採用する場合、導入軸力は以下のように設定されます。
・上部構造モデルの弾塑性荷重増分解析を実施していない場合:
弾性解析結果として得られた最終ステップの支点反力となるように、導入軸力を時々刻々と線形増分します。
・上部構造モデルの弾塑性荷重増分解析を実施している場合:
荷重増分解析結果として得られた支点反力履歴を各ステップの導入軸力として与えます。
レベル1では、静的増分解析条件において設定した荷重倍率1.0までの支点反力履歴を用います。
レベル2では、静的増分解析条件において終局検定にチェックを入れた荷重倍率までの支点反力履歴を用います。
下部構造モデルの基礎梁による杭の付加軸力
指定により、下部構造モデル(群杭フレームモデル)の解析で生じた杭の付加軸力を設計用軸力に加算しないように設定できます。
軸力低減係数
杭の導入軸力は長期成分と変動成分(レベル1またはレベル2の軸力から長期を差し引いたもの)の和として求めますが、ここでは長期と変動成分それぞれに対して倍率をかけることができます。
上下動
指定により、曲げの検定時に上下動係数を考慮することができます。
位相の影響を考慮した検討
位相の影響を考慮した検討は、設定した低減率αに対して以下の組み合わせケースを検討します。
| 上部慣性力 | 基礎慣性力 | 応答変位 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 1.0倍 | α倍 | α倍 |
| 2 | α倍 | 1.0倍 | 1.0倍 |
| 3 | 1.0倍 | -α倍 | -α倍 |
| 4 | α倍 | -1.0倍 | -1.0倍 |
偏心モーメント
ここでの偏心モーメントとは、「杭心と柱心がずれた偏心距離」×「柱軸力」によるモーメントになります。
「偏心モーメントを杭で受ける」にチェックを入れた場合、偏心モーメントを杭頭で負担します。
チェックを外した場合、偏心モーメントを基礎梁で負担します。
基礎梁長期応力の取り扱い
・考慮しない:
上部構造モデルの解析結果として得られた長期応力を考慮しません。
・初期応力として考慮する:
上部構造モデルの解析結果として得られた長期応力を、下部構造モデルの基礎梁の初期応力として与えます(応力再分配は発生しません)。
・応力再分配する:
上部構造モデルの解析結果として得られた長期応力を、下部構造モデルの基礎梁のCMQ荷重として与えます(応力再分配が発生します)。
杭頭免震構造などのように基礎梁が十分剛でなく、杭にも上部構造モデルからの応力を負担させる場合に用います。
基礎梁設計応力の考慮
・解析結果応力を用いる:
基礎梁の検定時に用いる設計用応力に、上部構造モデルの水平荷重時の解析結果として得られた応力を加算します。
・考慮しない:
基礎梁の検定時に用いる設計用応力に、上部構造モデルの水平荷重時の解析結果として得られた応力を加算しません。
結果出力設定
地盤ばね反力履歴の出力にチェックを入れた場合、出力深度範囲に指定した範囲内の地盤ばねの荷重変形関係履歴をCSVファイルとして出力します。
解析結果フォルダに All_SoilReaction_Pile{杭記号}.csv というファイル名で出力されます。
実行にあたっては、以下の手順が必要です。
1において実行が必要な計算は計算条件の設定によります。
上部構造モデルの解析結果から慣性力や軸力を参照する指定を行っている場合には、RESP-Dの計算は終局検定まで実行する必要があります。
慣性力や軸力を直接入力している場合には、RESP-Dの計算は準備計算まで実行する必要があります。
上部構造モデルの解析結果から慣性力や軸力を参照する指定を行っている場合
慣性力や軸力を直接入力としている場合
メイン画面は以下のようになります。
計算実行すると計算が開始されます。
NGが出た場合、おおよその満足できる配筋量を表示できます。 ただし、配筋を変えると応力も変わるため、確実にOKになる保証はない点に注意が必要です。
計算結果を画面から確認します。 分布図、MN相関図、フレーム形式応力図、応力・検定値のテーブル形式まとめ表が表示できます。
CSV出力, Word出力が行えます。
出力項目は以下になります。
慣性力分配
地盤ばね値
杭骨格曲線
杭解析結果応力
地盤変位
地盤ばね反力
基礎梁応力
Word出力では、出力するケースおよび杭位置が選択可能です。
機能一覧は以下の通りです。
| 項目 | 仕様 | 備考 |
|---|---|---|
| 解析モデル | 単杭 ・ 群杭フレーム(基礎梁剛または基礎梁剛性考慮、平面的なねじれ考慮) | 単杭の場合は弾性解析により各杭の慣性力分担を決定します。 |
| 水平地盤ばね | 基礎指針 ・ Francis | 基礎指針:塑性水平地盤反力度Pyを応力度の上限とする指定も可能です。 Francis:Bromsの耐力式により、双曲線モデルとします。 |
| 杭 | 場所打ち鉄筋コンクリート杭,場所打ち鋼管コンクリート杭 | |
| 断面切り替え | 杭頭,杭中間,杭先端など自由に切り替え可能 | |
| 線形・非線形(Tri-Linear) | ||
| 杭頭回転拘束条件:回転自由,回転固定,つなぎ梁の剛性を考慮した回転拘束 | ||
| 軸力 | 短期・終局 | 各ケースごとに設定可能です。 |
| 付加モーメント | 短期・終局 | 各ケースごとに設定可能です。水平荷重の前に杭頭に作用させます。 |
| 地盤変位 | 地盤No.ごとに地盤変位設定 | 地層分割と異なる分割の場合は自動的に線形補間します。 |
| 応力解析結果の重ね合わせ | 単純累加/SRSS | モーメント,せん断力で異なる重ね合わせ方法を設定することも可能です。各解析結果の重ね合わせではなく、同時載荷も可能です。同時載荷において、正位相・逆位相を考慮した検討も可能です。 |
| M-N相関 | 短期・終局 | 終局耐力についてはコンクリート圧縮特性をe関数法により算出します。 |
| 図化機能 | モーメント、せん断力、変位、回転角分布図 | |
| M-N相関図 | ||
| CSVファイル出力 | 杭情報、地盤情報、解析結果 | |
| Wordファイル出力 | 杭情報、地盤情報、解析・設計条件、応力・変位分布図、MN相関図、検定表 |
解析モデルは単杭モデルと群杭フレームモデル(基礎梁剛)から選択できます。
以下は単杭モデルのイメージ図です。
後述の群杭フレームモデルを弾性解析することにより慣性力の分配率を計算し、分配された慣性力を各単杭モデルに作用させるモデルです。
慣性力の分配を決める計算の際には、杭体を弾塑性として指定した場合でも弾性として解析した結果を用います。

以下は群杭フレームモデルのイメージ図です。
全慣性力を剛床位置に作用させ、応力解析により慣性力が自動的に分配されます。

単杭モデルの計算フローは以下となります。


群杭フレームモデルの計算フローは以下となります。




以下の条件でモデル化します。
RC系の杭の場合、鉄筋剛性を考慮します。
解析モデルにおいては、杭を1mピッチで分割します。
地盤ばねは杭頭から0.1m下がった位置から配置されます(与える水平力の総和と杭頭せん断力の総和が釣り合うようなモデル化とするため)。


弾塑性(Tri-Linear)を考慮する場合、以下に示す骨格曲線の各折点は以下のように計算されます。
曲げひび割れ耐力Mc : 耐力式により計算
曲げ降伏耐力Mu, 曲げ降伏曲率φu : 平面保持解析により計算

曲げひび割れ耐力Mcは、長期軸力を用いて以下の計算により算出します。
$Mc=(0.56・√Fc+σ_L)・Ze$
Mc : 曲げひび割れ耐力(Nmm)
Fc : コンクリート基準強度(N/mm^2)
σL : 長期軸応力度(N/mm^2)
Ze : 断面係数(mm^3)
※ 2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書参照。ただし、長期軸力の扱いが同資料では軸力N, 断面せいDに対してN・D/6となっているところを、本プログラムでは $σ_L・Ze$ とし、長期軸応力度は鉄筋を考慮した剛性による応力度としている。
第2折れ点は、曲げ降伏時耐力Muとします。
曲げ降伏後の剛性低下率α3は初期剛性に対して0.001倍とします。
杭の節点と地盤ばねの接続方法は、
杭の節点から上下に指定ピッチ(規定値は1m)の半分の範囲にある地層のばねが接続されます。地層が指定ピッチによる範囲をまたぐ場合、範囲の境界で分割された地層によるばねが当該節点に接続します。

また、範囲内に複数の地層がある場合、当該節点には複数のばねが接続されます。

各地層データの深度と杭頭位置の関係は、以下の4つの入力から計算されます。
構造芯よりも高い位置に設計GLがある場合が+となります。
A. 1FL構造心と設計GLとの距離
B. 最下FL構造心から杭頭までの距離デフォルト値
C. 最下FL構造心から杭頭までの距離個別指定値
D. 設計GLと地表面との距離

地盤変位の入力深度は地表面からの深度として解釈します。
解析モデル上の杭の分割位置(節点位置)に対して、入力した地盤変位を線形補間して解析上の強制変位を算出します。

日本建築学会「建築基礎構造設計指針」に基づき算出します。
水平地盤反力係数は以下の式で計算されます。
$k_{h0} = C_k・α・ξ・E_0・D ^ {-0.75}$
$k_{h0}$ : 基準水平地盤反力係数(kN/m^3)
$C_k$ : 剛性低減係数
$α$ : 評価法によって決まる定数(1/m)
$ξ$ : 群杭の影響を考慮した係数
$E_0$ : 700N もしくは 直接入力 (kN/m^2)
$D$ : 杭径 (cm)
水平地盤反力係数は以下の式で表され、塑性水平地盤反力Pyを考慮する場合はPyを応力度の上限とします。
(0.0 cm <= y <= 0.1 cm の場合)
$k_h = 3.16・k_{h0}$
(0.1 cm < y の場合)
$k_h = k_{h0}・y^{-1/2}$
$k_h・y ≦ p_y$ (※指定によりpyを考慮する場合のみ)
$k_h$ : 水平地盤反力係数(kN/m^2)
$y$ : 水平変位(cm)
$p_y$ : 単位面積当たりの塑性水平地盤反力(kN/m^2)
日本建築学会「建物と地盤の動的相互作用を考慮した応答解析と耐震設計」を参考に以下のような計算で算出します。
水平地盤反力係数は以下の式で計算されます。
$kfs = Ck・\cfrac{1.3・Es}{ 1.0 - Vs^{2}}・(\cfrac{E_s・B^{4}}{E_p・I_p})^{1/12}$
$E_s = 2.0・(1.0+ν)・ρ・V_s^2$
$k_{fs}$ : 水平地盤反力係数(kN/m^2)
$C_k$ : 剛性低減係数
$E_s$ : 地盤ヤング係数(kN/m^2)
$V_s$ : せん断波速度(m/s)
$B$ : 杭径(m)
$E_p$ : 杭ヤング係数(kN/m^2)
$I_p$ : 杭断面2次モーメント(m^4)
水平地盤反力係数は双曲線モデルで表され、Bromsの耐力に漸近します。
$p(y) = \cfrac{k・y}{ 1.0 + \cfrac{k・y}{P_y} }$
$P_y = p_y・B$
$p(y)$ : 双曲線モデルの応力度
$k$ : 初期剛性(kN/m^2)
$y$ : 水平変位
$B$ : 杭径(m)
$P_y$ : Bromsによる塑性水平地盤反力(kN/m)
砂質土、粘性土でそれぞれ以下に示す計算により単位面積当たりの塑性水平地盤反力を計算します。
計算値に対し、杭径Bと層厚l’ を乗じてばね耐力とします。
$p_y = C_s・κ・Kp・σ_0$
$p_y$ : 塑性水平地盤反力(kN/m^2)
$C_s$ : 耐力低減係数
$κ$ : 群杭の影響を考慮した係数, 単杭の場合3.0(本プログラムでは常に3.0を採用)
$K_p$ : 受動土圧係数 = (1+sinφ)/(1-sinφ)
$φ$ : 内部摩擦角 = √(20・N)+15
$σ_0$ : 上載圧(kN/m^2), 地層の自重を上層から累積した値を用いる。地下水位を考慮した場合、地下水位以下の地層については単位体積重量から $9.8kN/m^{3}$ を減じた数値を用いて計算する。

(z / B < 2.5の場合)
$p_y = C_s・2・(1.0 + \cfrac{μ・z}{B})・c_u$
(z / B >= 2.5の場合)
$p_y = C_s・λ・c_u$
$p_y$ : 塑性水平地盤反力(kN/m^2)
$C_s$ : 耐力低減係数
$μ,λ$ : 群杭の影響を考慮した係数, 単杭の場合 μ=1.4, λ=9.0(本プログラムでは常にμ=1.4,λ=9.0を採用)
$c_u$ : 非排水せん断強さ
$D$ : 杭径(m)
$z$ : 深さ(m)
つなぎ梁を考慮する場合、RESP-Dに入力された基礎梁について反曲点位置が梁の中央であると仮定し、材長の1/2までをモデル化します。

群杭フレームモデルの場合、下部構造モデル(地下階を除く)に入力する慣性力は以下の$P$として与えられます。
$P = β_1・P_s + β_2・P_f$
ここで、
・$β_1$, $β_2$:基礎指針2019の位相組み合わせ係数(位相組み合わせを考慮しない場合はすべて1.0)
・$P_s$:上部構造モデル(地下階を含む)の最下階(地下階がある場合は一番下の地下階)の応答せん断力(ベースシア)※直接入力することも可
・$P_f = k_B・W_f$
・$k_B$:地下震度 ※直接入力することも可
・$W_f$:上部構造モデル(地下階を含む)の最下階(地下階がある場合は地下の最下階)の地震時重量(基礎重量) ※直接入力することも可
単杭モデルの場合、各杭が負担する慣性力は杭頭変位を同一とした線形解析により算出します。単杭剛床モデルの場合、上記で計算した全慣性力を各杭の頂部節点を水平拘束した代表節点に対して作用させます。具体的には以下のような手順になります。


応答変位は、ユーザーが設定した地盤変位の入力値に対し、地盤ばね位置において線形補完した値を強制変位として地盤ばね側節点に作用させます。
付加モーメントは慣性力ケース、応答変位ケースの事前解析として載荷し、継続して各水平荷重ケースの解析を行います。 RESP-Dにおける付加モーメント自動計算機能は以下に従って算出されます。
考慮されるモーメントは以下の通りです。
1.支承材のP-δ効果によるモーメント
2.支承材のQ-hによるモーメント
以下、その他の事項を示します。
応力の重ね合わせは単純累加、SRSSから選択できます。
$Md = Mi±Mr$
$Qd = Qi±Qr$
$M_d$ : 重ね合わせモーメント
$Q_d$ : 重ね合わせせん断力
$M_i$ : 慣性力ケースによるモーメント
$Q_i$ : 慣性力ケースによるせん断力
$M_r$ : 応答変位ケースによるモーメント
$Q_r$ : 応答変位ケースによるせん断力
$M_d = \sqrt{(M_i^{2}+M_r^{2})}$
$Q_d = \sqrt{(Q_i^{2}+Q_r^{2})}$
$M_d$ : 重ね合わせモーメント
$Q_d$ : 重ね合わせせん断力
$M_i$ : 慣性力ケースによるモーメント
$Q_i$ : 慣性力ケースによるせん断力
$M_r$ : 応答変位ケースによるモーメント
$Q_r$ : 応答変位ケースによるせん断力
上下動係数を考慮した場合、検定用軸力に対して上下動係数×長期軸力を加算または減算した採用します。
偏心距離を設定した場合、偏心距離×軸力のモーメントを杭設計用応力に加算します。
考慮する軸力は、上下動係数を考慮します。
杭体コンクリートの許容応力度は、2025年版建築物の構造関係技術基準解説書に準拠し、以下の表により算定されます。
| 種類 | 長期 | 短期 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 圧縮 | 引張 | せん断 | 圧縮 | 引張 | せん断 | |
| 掘削時に水または泥水を使用しない方法 または強度試験により 強度・寸法・形状を確認できる場合 | 1/4・Fc | - | 1/40・Fcかつ 3/4・(0.49+1/100・Fc)以下 | 長期に対する 値の2倍 | - | 長期に対する値の1.5倍 |
| それ以外の場合 | 1/4.5Fc かつ6以下 | - | 1/45・Fcかつ 3/4・(0.49+1/100・Fc)以下 | 長期に対する 値の2倍 | - | 長期に対する値の1.5倍 |
短期許容曲げ耐力は、平面保持解析により、以下のいずれかが許容応力度に達した時点のモーメントとして算出します。
ただし、ヤング係数比は実際の鉄筋のヤング係数とコンクリートのヤング係数の比率として考慮します。
以下にRC規準より抜粋した曲げ短期許容曲げモーメント算出の考え方を示します。ここで、Sn, Inは中立軸についての値であるので、中立軸位置xnによって変動します。実際の数値計算としてはxnを変数として2分法により(2)式において所定の軸力と釣り合う偏心距離eを算出し、(1)式により短期許容曲げモーメントを求めます。軸力については、(3)式により最小の軸力を採用します。
$M = N・e$ … (1)
$xn - \cfrac{D}{2} + e = \cfrac{In}{Sn}$ … (2)
(コンクリートで決まる場合)
$N1 = \cfrac{Sn}{xn}・fc$ … (3-a)
(圧縮鉄筋で決まる場合)
$N2 = \cfrac{Sn}{(n・xn-dc)}・rfc$ … (3-b)
(引張鉄筋で決まる場合)
$N3 = \cfrac{Sn}{n・(D - dt - xn)}・ft$ … (3-c)
$N = min(N1, N2, N3)$ … (3)
Sn : 中立軸に関する有効等価断面の1次モーメント
In : 中立軸に関する有効等価断面の2次モーメント
Ae : 等価断面積
g : 等価断面の重心と断面の最大圧縮応力度を受ける位置との距離
e : 偏心距離
xn : 中立軸位置 ※2026年4月時点ではSRC杭(内部鉄骨)のせん断検定は未対応となっており、SRC杭(内部鉄骨)のせん断耐力はRC杭のせん断耐力として算定されます。
短期許容せん断耐力は杭断面を矩形置換して以下の式により計算します。
$Q_A = b・j・{fs + 0.5・ft・(pw-0.002) }$
A : 杭断面積
dt : 鉄筋重心位置
b : 矩形置換した幅(=√A)
d : 矩形置換した有効せい(=b-dt)
j : 矩形置換した応力中心間距離(=7/8d)
fs : コンクリート短期せん断許容応力度
ft : せん断補強筋短期許容応力度
pw : せん断補強筋比 鋼管部分のみの短期許容せん断耐力を用います。
$Q_A=_sA_s・F/\sqrt{3}$
sAs : 鋼管せん断断面積
F : 鉄骨基準強度曲げ終局耐力は平面保持解析により、コンクリート圧縮歪み0.003、もしくは鉄筋・鋼管の引張歪み0.01に達した時点として計算します。コンクリートの応力度-歪関係はe関数法を用いて以下の数式で定義します。ただし、耐力劣化は考慮せずε≧εyの場合はε=εyとして計算します。
$σ(ε) = 6.75・(e^{-0.812・(ε/εy)}- e^{-1.218(ε/εy)})・Fc$
εy : 基準化歪 (=0.002) ※2026年4月時点ではSRC杭(内部鉄骨)のせん断検定は未対応となっており、SRC杭(内部鉄骨)のせん断耐力はRC杭のせん断耐力として算定されます。
場所打ちRC杭のせん断終局耐力は、計算条件より修正荒川式と塑性理論式が選択できる。 なお、せん断耐力算定に用いる軸力は上下動係数を考慮し、押し込みと引き抜きの小さい方の値を採用します。
(1) 修正荒川式
$Q_{su}=\lbrace \frac{k_{1}・pt^{0.23}(18+F_{c}’)}{M/(Q・d)+0.12}+k_{2}\sqrt{pw・σ_{wy}}+0.1σ_0 \rbrace・b・j$
$b$, $d$, $k_{2}$については、 i)ウルボン鉄筋以外のせん断補強筋 ii)高強度せん断補強筋 で異なる値となります。
A : 杭断面積
B : 杭径
dt : 鉄筋重心位置(円形断面における引張縁から引張鉄筋重心までの距離)
b : i)の場合は正方形置換した幅(=√A), ii)の場合は長方形置換した短辺幅(=π/4*B)
D : i)の場合は正方形置換したせい(=b) , ii)の場合は長方形置換した長辺幅(=B)
d : 有効せい(=D-dt)
j : 矩形置換した応力中心間距離(=7/8d)
k1 : 0.053
k2 : i)の場合は0.85, ii)の場合は0.846
M/(Q・d) : せん断スパン比(=3.0)
σ0 : 軸方向応力度(設定された軸力から算出, 引き抜きの場合も負の値として考慮)
pw : せん断補強筋比(=aw/(D・x))で、ii)の場合は0.1%≦pw≦0.3%とします
aw : せん断補強筋1組の断面積
x : せん断補強筋ピッチ
σwy : せん断補強筋のせん断強度
Fc' : 杭のコンクリート強度(指定により、1.0xFc、長期圧縮許容応力度×3のいずれかが選択可能) (2) 塑性理論式
$Q_{su}=b・j_{t}・p_{w}・σ_{wy}+η・k_{1}・(1-k_{2})・b・D・ν・F_{c}'$
ただし、$Q_{su}≦ \frac{ν・F_{c}}{3}・b・j_{t}$ $k_{1}= \frac{\sqrt{(L/D)^{2}+1}-(L/D)}{2}$ $k_{2}= \frac{3・p_{w}・σ_{wy}}{ν・F_{c}}$ $ν=0.7- \frac{F_{c}}{200}$
$b$, $D$については、 i)ウルボン鉄筋以外のせん断補強筋 ii)高強度せん断補強筋 で異なる値となります。
A : 杭断面積
B : 杭径
b : i)の場合は正方形置換した幅(=√A), ii)の場合は長方形置換した短辺幅(=π/4*B)
D : i)の場合は正方形置換したせい(=b) , ii)の場合は長方形置換した長辺幅(=B)
η : 寸法効果による補正係数ですが、現状は必ず1とします(寸法効果を考慮しません)
jt : 引張側主筋および圧縮側主筋の重心間距離(=D-2dt)
dt : 鉄筋重心位置(円形断面における引張縁から引張鉄筋重心までの距離)
pw : せん断補強筋比(=aw/(D・x))で、ii)の場合は0.1%≦pw≦0.3%とします
aw : せん断補強筋1組の断面積
x : せん断補強筋ピッチ
σwy :せん断補強筋のせん断強度
Fc' :杭のコンクリート強度(指定により、1.0xFc、長期圧縮許容応力度×3のいずれかが選択可能)
L :アーチ機構の長さ
ν :コンクリート圧縮強度の有効係数本式は、日本建築学会:「鉄筋コンクリート造建物の終局強度型耐震設計指針・同解説」1990年版に記載されている柱および梁のせん断耐力式に対し、cotφ=1として導出したものです。ただし、k2についてはウルボン指針2024年版解説に記載の通り、靭性指針1999年版に示されているトラス機構の有効係数λを考慮し、一般的な杭の配筋がλ=0.7程度であることから、終局強度型設計指針に記載されているβの(1+(cotφ)^2)に相当する係数を3としています。
鋼管部分のみの耐力を用います。
$Qsu=_sA_s・F/\sqrt{3}$
sAs : 鋼管せん断断面積
F : 鉄骨基準強度